こんにちは!irohazumの佐野です。
今回は活版印刷という凸凹の仕上がりになるもので印刷しました。
紙の周りにはロゴカラーの赤をエッジカラーで入れています。
すごくすごく気に入っています!


独立してわかった名刺というもの
これまで名刺は会社員時代からたくさんデザインさせていただきました。
お客様の要望を伺ってデザインすることは以前も今も変わらないですが、最近は名刺の奥深さをとても感じていて「営業ツールとして使用できる名刺」を意識しています。
それは独立してから、しみじみと思うようになりました。
何かプラスアルファがあった方がいいなということ。
「屋号・名前・アドレス」だけを伝える名刺ではとても勿体ないケースが多かったのです。
会社員時代も、もちろん名刺は使っていましたがこのように思ったことも困ったこともありません。
会社のブランドが出来上がっていたこと、私は会社の中のデザイナーの一人でその情報を伝えればよくて、営業ツールとして使う必要がなかったからです。
でも、個人で一から事業を立ち上げてみると、自身のことや事業内容を伝える難しさをしみじみと感じます。
ただのアドレスカードだったのかも…
「ただの」って付けちゃいましたが、それが悪いことではないのです。
これまで使っていた名刺は「こんなことやってます」と色々と説明が必要だったりで
「名刺で色んなことを伝えることができたら便利だな〜」と悶々としていました。
便利だなと呑気なことを言ってますがもっと有効に使うべきだったのです。
せっかくお会いして名刺交換をしたのに、肩書きと名前とアドレスだけを伝えるって勿体ないですよね。
何か一つでもインパクトや印象を残したいということ、話が広がるもの、今後のビジョンに沿ったものを作りたいと考えていました。
今回のお話は私自身の反省も込めて書きたいと思います…
歴代名刺一覧
独立準備中の名刺

オンデマンド印刷(高性能なプリンタのようなもの)で、紙にはちょっと良い紙を使っています。
名刺が必要になって大急ぎで作成した名刺です。
「irohazum」という屋号だけ決めて会社員をしながら独立の準備をしていた頃でした。
まだロゴも作っておらず、仮のシンボルマークとテキストを打っただけのデザイナーとしてあるまじきロゴタイプになっています。
この頃はirohazumを大文字にするか小文字にするか迷っていました。(言い訳)
そして私が思う「ただのアドレスカード」の模範とも言うべき仕上がりになっています。
この名刺で得られる情報は「デザイナーの佐野さんですね。住所と電話番号とアドレスはこれですね。ふむふむ」これだけではないでしょうか。
独立した後の名刺

ロゴを決めて作成し直しました。
ちょっと良い紙でオフセット印刷です。
肩書きを変更して特殊加工をやってみた名刺

色んな反省点から情報をブラッシュアップして作り直した名刺がこちら。
肩書きも変更しました。
印刷はオンデマンド印刷で、ロゴにエンボス加工を施してみました。
写真では伝わりにくいですが、ロゴ部分がぷっくりと盛り上がっています。
「印刷もいろんな方法があると伝えたいなあ…」とぼんやり考え始めたのはこの頃です。
エンボス加工はとても気に入っているのですが、この名刺を手にした時に「なんか違う」と思いました。
「嬉しい!早く誰かに渡したい!」というワクワクした気持ちが一切なかったんです。
その時手にして思ったことは「なんか違うなあ」ということでした笑
この名刺は誰の手に渡ることもなく、今でもひっそりとデスクの隅に置かれています…
これまでの名刺に共通すること
これまでの名刺って、なんとなく「キレイ」に作っただけで、特に何も印象が残らない名刺に感じませんか?
irohazumの佐野さんはデザインをやる人というのは伝わるとは思いますが「営業ツールとして使える名刺」として使うとなるとちょっと勿体無いと思います。
ビジョンを練り直して自分ブランディングする
これから提供していきたいことを考える
正直いうと、自分のブランディングは後回しだったんです。
お客様には散々ブランディングの重要性を説明しているのに、その本人が全くできてないとはどういうことかと枕を濡らすほど反省しました。。。
自分がこれからやりたいこと、お客様に提供したいことなどをもう一度見つめ直す作業から始めました。
私がこれまで「やりたいのに、なかなかできなかったこと」という一つに「印刷や特殊加工を知ってもらい面白くてワクワクするものを制作する」ということです。
でも、よくよく考えてみるとデザイナー本人がやっていないことを勧められても、ピンときませんよね。
なので、今年の年賀状は丸型にしてみたり徐々に「印刷にこだわる」ブランディングを始め、「こういう物も作れますよ!」と伝えていくことにしました。

印刷に詳しいことをアピールしたい
会社員の時は印刷業界にいたので、これまでの経験と知識を最大限に活かそうと思いました。
これまで紙の印刷だけでなくシール・ステッカー、のぼり、Tシャツから看板まで「印刷」と名の付くものは携わってきて、それゆえなのか印刷のことが身近で当たり前すぎて強みの一つとは全く気づいていませんでした…
自分で作ったデータを自分で製版してきたこと、印刷の現場も毎日触れ合ってきたので
- 印刷で、できること・できないこと
- 美しく仕上げるためにやること・やらないほうが良いこと
- ちょっと変わった印刷の方法
「こうしたら印刷代が安くなる!なんて裏技」も知っています笑
要は「印刷のことならなんでも聞いて!」と思って欲しい!ということです。
でも名刺に「印刷に詳しいです!」なんて書いたら、なんかかっこよくないですよね…
(でも、それはそれで面白そう)
それで印刷技術を盛り込んだ名刺を作って伝えようと思ったのです。
お客様にも印刷を楽しんで欲しい
私が紙のデザインで伝えたいことは「印刷・仕上げまで行ってデザインが完成する」ということです。
家に到着することまでが遠足みたいな感じですね!(ちがうか!)
シンプルなデザインでも紙と印刷でその出来上がりは大きく変わります。
一般的にデザインの良し悪しはビジュアルだけで判断されがちですが、紙のデザインはビジュアルに印刷技術が加わることでもっともっと良くできます。
私が印刷技術てんこ盛りの名刺を作ることで、お客様にも「こういう方法があるんだな!」という発見になればと思いました。
情報は最低限・シンプルなデザイン
上記のことから印刷で表現したいのでデータ上のデザインは情報だけのシンプルものにすることにしました。
また、これからも色んなジャンルのデザインに携わりたいので、irohazumを「かわいい」や「女性らしい」という何かのイメージは一切つけたくありませんでした。
これからは、このサイトを一番の営業ツールにしたい思いがあるので、まずは興味を持っていただき、名刺はあくまで入口でサイトに誘導していきたいと考えました。
決めた名刺のイメージ
もう一度ビジョンを練り直して名刺の方向性を決めた内容がこちらです。
- これから一番お勧めしていきたい印刷方法で印刷する
- 名刺は「投資」と思って印刷代よりもやりたいことをする
- ロゴの赤と黒でシンプルにデザイン
- ロゴのカラーの「赤」の印象を強くする
- 内容はシンプルに。その代わりサイトに誘導する
- 営業ツールとして使用することを意識する
名刺を新しくした後のこと
直接お渡しできたのはまだ数枚ですが、皆さんに褒めていただいてて本当に嬉しいです!
全ての方が印刷のことを質問してこられて「こんな印刷あるんだね」とか「単価はどれくらいですか!?」など名刺だけで話が広がることができています。
また、TwitterとFacebookで紹介しましたが、SNS経由のお問い合わせが増えました!
Twitterのフォロワーさんも急激に増えたんです!正直ここまで反応があるとは驚きでした…。
因みに私の名刺がこちら。
●活版印刷
●両面2色
●エッジカラー
●紙もこだわった見本にもなるように色々詰め込み単価言えないレベルになったけど(笑)完成した時には嬉しくてたまらなかったんです。この気持ちがクライアントさんに伝わったのかも。 https://t.co/wDgaqXD4YH pic.twitter.com/gJgs5DfczM
— でざいん姉さん|佐野五月 (@irohazum_s) January 26, 2020
【まとめ】名刺が頼もしい相棒になりそうです
最近はオンラインのみで完結することが多く、実はこれまで私自身の名刺の必要性をあまり感じてこなかったのです。
(お客様には散々ブランディングのお勧めをしているのに!)
それに自身のブランディングは後回しでとりあえず名刺が必要だから作っただけでした…うう、本当にお恥ずかしい限りです。
ブランディングと今後のビジョンを掛け合わせて営業ツールとして今回作ってみたら、皆さんの反応を得て気持ちが大きく変わりました。
制作実績の一つにもなりますしね!
この名刺を作ったことで私自身のブランディングも固まってきたので、今後どう動いていくか一つの道が出来た気がしていますし、私のこれまでの失敗談(笑)もお客様にも一つの事例としてご紹介できるのではないかと思いました。
ビジネスを起こす時に最初に作ろうと思いつくのが名刺だと思いますが、どうせ作るなら「相棒になる名刺」を作っていただきたい思いがあります。
私は今回活版で印刷しましたが、他にも色々な印刷方法や特殊加工があって、例えば高級感を出したいなら印刷と特殊加工で魅せたり、営業の方や自社のサービスをPRしたい場合は「パンフレットのように使える名刺」などデザインと印刷で色んな名刺の魅せ方ができます。。
皆さんの相棒になる名刺の制作のお手伝いができたら嬉しいです。